彗星のてんぷら

あげたての星からはイマージュの匂いがする

韓国旅行2日目&3日目

韓国旅行一日目の記事はこちら

kakari01.hatenablog.com

 

韓国旅行二日目(12月30日)

・「韓国一人旅、結構いけるな……」という謎の自信感と共に就寝し、明けた二日目。二日目は景福宮見学、仁寺洞でショッピング、そして江南方面にてミュージカルJCS観劇という予定だった。なお歴オタ歴が長いので、朝ゆっくりな旅行が今でも新鮮に感じられる。

・前日、コンビニで購入したドーナツが異様に美味しかった。これはドーナツハンターの正井さんにお土産に買って帰らなければ……と朝から友人への土産を決める。

・真冬の景福宮は寒かったが、わたしが渡韓した一週間はそれでも暖かい方だったらしい。

・建物が格好良い~!!!と胸が騒ぐ歴オタのにんげん。

・近所では韓服レンタルもしており、韓服での入場料は無料になる。観光人も地元の人も、老若男女が思い思いの韓服を着ていて良かった。わたしも着てみたが、かなり適当に店を選んだためか「今日は寒いからね!!!」と着ているセーターの上からおよそ二十秒ほどで着付けられ、大変インスタントな韓服スタイルでした。

・歩き回るのに疲れたので、早めに切り上げて仁寺洞へ赴くことに。

・ちなみに韓国、様々なところで屋台が出ていて、しかもどれも美味しかった。「屋台にもチャレンジしたい!」と思って最初に買ったのが、明洞駅の出口付近に売っていたこれ。食べてみると甘いカステラ生地で「当たりだ、美味しい~~!!!」と食べていたら、中からゆで卵一個が出てきてびっくりした。甘塩っぱくて最高。毎朝食べたい。

・雑貨がすきなら仁寺洞は楽しいはず!道沿いにずらりと並んだお店のほか、色んなアーティストの作品が見たり買ったりできるモールもあって夢中になった。雑貨の他、伝統韓紙や焼き物や洋服も売っていてめちゃくちゃ楽しかった。途中からもう普通に買い物してた。

・厳選を重ねて購入したコーヒーカップ(ソーサー付き)が可愛い!!!あとニットとワンピースを買ったり茶碗を買ったりしました。試着できないけど1000円くらいでめちゃ可愛い服が買える店があって衝撃的だった。韓国ならではのお土産もたくさんあって素敵でした、また仁寺洞は行きたい。

・「韓国のお洒落なカフェにたくさん行く!!」と決めていたため、行きたいと思っていた伝統茶屋さんにもチャレンジ。韓屋をリノベーションしたお洒落なカフェ。(しかし冬はテラス席がないので、それ用のすべての椅子が端に積み上げられていて謎の壮観を醸し出していた)

・おしゃれ!!!見て!!!しかし注文の時、店員さんに何か確認されたのだが聞き取れなかったので適当に「あー大丈夫です~」と返事をしていたのだが……どうやら、なつめ味の伝統茶となつめ味の水氷菓子を注文していたらしく、両方甘々かつ同じ味でホット&コールドというスペシャルな組み合わせを生成してしまった。

・このまま江南方面に行く予定であったが、想像以上に買い物してしまった&陶器も買ったので一旦ホテルに戻ろうかな~と思いつつ、Twitterを開くとDMが来ている。開くと、友人からの「ミュージカル『ブラザーズカラマーゾフ』の再演が決まりましたよ!!!!」という連絡だったので相当取り乱す。「か、韓国に行きたい!!!(いまおる)」「わたしはあと半年で韓国語がぺらぺらになるんですか!!?」「あのイワン・カラマーゾフが本当にまた観れるの!!?生で!!?仕事休み取れるかな!!!?」もうなにもわからなくなるわたし

・なお、今回韓国に来たのも実は「もしブカマが再演したときに初渡韓だと焦るから予習も兼ねて」という気持ちがあったのである。本番が思ったより近い。もうなつめ茶の味が分からん……と思いながら飲み干し、とりあえず深呼吸するためにホテルに戻る。予定を前倒して動いていてよかった。

 

・本日のメイン、韓国版ミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」。昨日の大学路ミュージカルが小劇場、京都磔磔ライブハウスだとしたら、こちらはめちゃくちゃ広い大劇場でゼップ大阪とかそういうかんじ。

・演出も独特で面白かったです。わたしはJCSが大好きで、特にイギリスアリーナ版が大好きなのですが、解釈もまた違っていて、そういう発見をするのも良かったです。ユダがめちゃくちゃジーザスを好きで切なかった。このユダのジーザスの「わからなさ」は人間と神の子のあいだの壁ってかんじだったな……。ユダのイエスに対する「もう一度私を愛してください」の歌詞が聞き取れて「韓国語を勉強しててヨカッターーー」となる。ばかね、イエスはユダを愛さなかった瞬間はないわよ、ユダ自信を持つのよ!!!あとは、熱血党のシモンとペトロがすごい可愛かった。ペトロの知らないと三階言うシーン、これまで見てきたなかでベスト・オブ・ペトロだった。

・敵側で出てくるパリサイ派司祭のカファヤ様が美しすぎてびっくりした。その髪型している人間、hydeとかしか見たことないですけど~~!?という編み込みであまりに美が光る。逆にアンナスがすんごい韓国ノアール映画に出てきそうなオールバックのおじさんで、このペアがすごくよすぎて新しい歴史が始まっちゃうじゃんと思った。

・終わってから、ロビーで携帯の電源を付けようとするもつかないというアクシデントが発生。めちゃくちゃ焦るも、とりあえず予備バッテリーを繋いで様子を見る。他の客がエスカレーターに流れているのを見つつ、十五分くらい待つも回復せず。「ジーザスと共に昇天したか……(放電状態かマジで壊れたかどっちかだな)」と判断し、とりあえず駅に向かうことにする。だが当然、NAVERナビで来たので駅が何処にあるのか分からない。しかもロビーで時間を潰しすぎて、外に出るともはや人がまばらになってしまっている。全集中をかけて見極めろ、駅に直行しそうな人間を……ということで、友人連れカップル連れ家族連れも多い中、わたしと同じように一人で来ていた同年代の女性の後をつけて歩き、無事にアックジョン駅に到着。おたくらしきの後をつけていれば目的地に着く、これは世界共通で使える技かもとおもう。(なお、携帯は地下鉄に乗って暫くした後に息を吹きかえしました。しぬかとおもったんじゃ)

・なお、開演まで時間を潰していたお洒落なカフェ~~!!!いま日本でも、こういう「今風の韓国っぽいカフェ」が流行しているのだが、本当にお洒落でよかった。

 

韓国旅行三日目(12月31日)

・今日の予定は、明洞に餃子を食べにいき、大学路散策を楽しみつつミュージカル「種の起源」及び「女神さまが見ている」の鑑賞である。なお、ホテルを出る前に、フォロイーさんのイ・ランさんから「きょう良かったら会えませんか?渡したいものがあって……」という内容のメッセージを頂いて「いいんですか!!!?うれしい~~~!!!」と有頂天になる。現地の知り合いや友人たちにも会いたいなと思いつつ、年末だしいきなり日本から来るオタクに会うのは警戒するかな……わたしもまだ上手く韓国語が話せないし……となっていたので、声を掛けて頂けて本当に嬉しかった。なお、イ・ランさんもミュージカル「ブラザーズカラマーゾフ」のファンの方である。

・朝十時半から開店する明洞餃子、開店時間に行けばいいだろと思っていたら既に長蛇の列。「まじか~」と思いつつも、開店してみるとあっという間に人が流れていき十五分くらいで席につけた。餃子が目当てだったが、カルグクスも有名らしいので頼むことにする。この店は前払い制だ。横の席の人が頼みつつサッとカードをお店の人に手渡しているのをみて学び、同じようにトライ。「絶対量多いけど、朝御飯抜いてきたし大丈夫だよね……」と思っていたらテーブルに並んだのが上のやつである。

餃子、二個でお腹いっぱいだが?というくらいのデカさがある。でも地元の人にも観光客にも広く愛されているだけあってすごく美味しかった。なお、「もう食べきれないかも知れない……」と思ったところで、横の人が「箱下さい」と言って持ちかえり用の箱を貰うのを目撃する。すかざす「わたしも箱と袋下さい!」と言って持ちかえることに。「この紙を下に敷いて並べるのよ~」と店のおばちゃんが教えてくれる。ありがとう明洞餃子、無料の持ち帰り箱と袋を用意してくれて……。

・明洞、安いスーパーとコスメ用品店があったので「もうここで土産を買おう!!!」を決めて、お菓子やらコスメやらを色々買い込みました。本当は最終日にソウル駅のマーケットでするつもりだったけど、余裕があったほうがいいので……。ということで山ほど買い物し、やはりホテルに一旦戻る。地下鉄一駅なので、持ち歩くより帰った方がよっぽどラクなのだ。

 

・午後1時にイ・ランさんで恵化駅で待ち合わせる。オタクのオフ会、毎度待ち合わせのときから楽しい。無事に合流できたのち、挨拶もほどほどに、イ・ランさんからプレゼントを頂く。なんと渡したいモノとは、ミュージカル「ブラザーズカラマーゾフ」の実況CD(非売品)であったのだ。「えっ!!!????こんっっっな貴重なもの、頂いて良いんですか……!!!?」「ぜひ、私は二枚持ってるので……」二枚あったとして、聞く用と保存用にしなくていいんですか!?と思うのだが、なんでも、わざわざ日本から来るわたしに是非と思って声を掛けてくださったらしい。なんて良い方なんだ。

・写真は日本に帰ってから写真撮影したミュージカル実況版CDと、わたしの永遠の推しCPスメイワのトレーディングカード。古典ロシア文学ジャンル、長くやっているとちゃんと推しCPがトレーディングカードになる!!!なお、このカードもイ・ランさんから頂いたものです。わたしの大好きなアン・ジェヨンさんのイワンのカード……本当に有り難うございます……!!!!

・韓国の小劇場は、開演10分前くらいになって漸く客席に人が入る。ミュージカル『種の起源』までは一時間くらいあったため、一緒にお茶をして頂くことに。ちなみに大学路、役者さんのお誕生日カフェ(センイルカフェ)というのを色んな所でやっているらしい。日本で言うところの、アニメコラボカフェの役者さんバージョンという感じであろうか。とは言え、当日までセンイルカフェの存在を知らなかったわたし。ちょうど、ぶかまでアリョーシャ役をやっていたヒョンソクさんのセンイルカフェが開いているというので、イ・ランさんに連れて行って頂く。

・センイルカフェ、めっちゃ楽しかった~~!!!特典付きのコーヒーがあって、それをご馳走になりました。店中に俳優さんの写真がたくさんあって、綺麗に飾り付けされている。韓国ミュージカルジャンルの方が、よくSNSに挙げている写真はこれだったのか!とひとしきり感動する。コーヒーを飲みながら、韓国ミュージカルのお話しなども出来て最高のひとときを過ごしました。なおイ・ランさん、わたしのぶかまスペースに遊びに来て下さったこともあり、めちゃくちゃ日本語がお上手なのだが、どこで勉強されたのか聞くと「独学です」とのこと。ど、独学でこんなに話せるようになるんだ……!と吃驚するのと共に、非常に励まされるきもちに。

・大学路はたくさん劇場があって迷うので、と当該会場まで送ってくださったイ・ランさん、昼公演の「種の起源」が終わった後、よかったら一緒に食事しましょう、と約束までしてくださって本当に感謝しかないです。

・韓国で非常に売れたスリラー小説「種の起源」がミュージカルになると知ったとき、「本当に大丈夫か?」と思ったのだが、まさか自分が現地に見に来ることになろうとは。エンタメ的な面白さと物語の加害性や倫理性が、絶妙な技法とバランスで成り立つ原作小説を知る以上、それがどのように料理されているのかは気になるところでもあり、また不安なところでもある。なお、わたしが観た回にはぶかまでイワン・カラマーゾフを演じた役者さんのひとり、ユ・スンヒョさんが主演を張っている。

・ハン・ユジン×ハン・ユジンに特化したミュージカルだった(当然、原作にそんな要素はないのだが)ミュージカルという第三者的な視野からしか演出し得ないものに翻案する以上、原作の核ともいえる「あやうさ」にあまり触れにいかなかったのは、ある意味では賢明なのかも知れない。演出なども、プロジェクションマッピングを演出に使うなどして直接的なゴア表象を避けていた。ユジンの餌食となるのも、若い女性から酔っ払いのおっさんに変更されたり等、もろもろ。スンヒョンさんの神経質に抑えた演技がすごく怖くて良かったです。なお、攻め側のユジンをしていたソンヒョクさんの歌が上手すぎてめちゃすきになってしまった。

・わたしを待つ間、イ・ランさんは別のセンイルカフェに行っていたらしい。このあと、一緒にお洒落な生活品セレクトショップを見て回ったり、マロニエ公園を散策した後、夕食へ。鶏肉が食べたいわたしのために、ダッカルビの店を選んで貰いました。このお店、オーナーが韓ミュ関係のひとらしく、店の壁がポスターになっています。

・基本的には日本語で話しつつ、わたしが韓国語で話せるところは韓国語で返すといった感じで会話していた。すごく楽しかったし、実際にお友達とあって話すと「もっと上手にたくさん話したい~!!」という気持ちになってよかったな。奇しくも、昨日我々の大好きな『ブラザーズカラマーゾフ』の再演が決定したばかり。いろいろ話に花が咲いて、いつまででもお喋りできそうだった。

・なお、頂いたダッカルビの写真。餅も入ってる!チーズトッピングもした!右側の色の薄い方が醤油味なんだけど、これが本当に美味しくて良かったです。そして、外国で体当たりでいろんな店に入って食事をし続けてきたけど、横に友達がいてくれて一緒に食べる韓国料理は、本当に本当に美味しかったです。イ・ランさん、素晴らしい思い出をどうもありがとうございました。「ぶかま再演時にまた会いましょう!」とお約束させて頂いたので、それまでにもっと韓国語の会話を磨いておきます。

 

・そして「女神さまが見ている」二回目の公演。これは前記事を参照に。

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・終了したのは午後八時頃。胸いっぱいの楽しさで満たされたわたしが、床につくには早すぎる時間である。ということで、東大門のナイトショッピングに出かけてきた。

・東大門は卸の町で、明け方まで買い物が楽しめ、洋服や靴や化粧品がおどろくほど安く手に入る。なお、小売りをしているショッピングモール風の店もあり、そちらであれば観光客も入りやすい。散々散策した後、ベージュ色の美しいスカートを買いました。もう韓国に来て普通に洋服を買いまくっている。とはいえ、一時間半くらい見て回ったところで、さすがに体力の限界が来たのでホテルに戻り、休むことに。しかし、そのまえに、コンビニに寄り、気になっていたあれを買う。

・日本の規格からすると、あまりにデカすぎるヤクルト。なお韓国映画の悪役御用達というイメージがある(金持ちで健康志向で嫌な奴、というテンプレらしい)

・ホテルに戻り、熱いシャワーを浴びた後、コンビニで買ったいちご牛乳を飲みながら、韓国のカウントダウンテレビを観た。生まれてこの方、日本以外で年を越したことはない。ドストエフスキーおたくの自分が、韓国版ミュージカル『ブラザーズカラマーゾフ』にハマり、一年程度必死に韓国語を勉強して、いまこうしてひとりで韓国でテレビを観ながらいちご牛乳を飲んでいるのはすごく不思議な感じだ、と思う。まだ韓国語もよわよわで、不安しかなかったけれど、本当に来て良かった。そして冒険を体験したときに毎度思う、わたしは自分が思っている以上に、もっと自由に生きていけるはずだ、という感慨が身体を満たしている。

・カウントダウンを見終えてから、ベットに入った。あっという間の三日間で、もう明日の昼頃の便で帰国しなければならないのが不思議な感じだ。果たしてわたしは、時間通りに仁川国際空港に辿り着けるのかしらん。目を閉じながら、来年はいい年になればいい、社会も、自分も、わたしの好きな人も、わたしの嫌いな人も、わたしの知らない人も、と思う。

 

・有り難う韓国、また半年後(なぜなら、ぶかまの再演が3月~6月なので)必ず戻ってくるぜ!!!そして長い記事を読んでくださった皆さま、有り難うございました。